2019年4月26日
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祇林寺
慶州祇林寺

祇林寺

慶州東海岸に位置する新羅27代の善徳女王時代に建立された韓国33観音聖地

統一新羅時代の宗教と芸術と技術が見事に調和を成していると言われる仏国寺と共に世界遺産として指定されている石窟庵を鑑賞してから末広がりの山裾に沿って東海の方へ30分ほど車を駆ればキリムサ(祇林寺)に出る。

漸く辿り付いたキリムサ(祇林寺)の駐車場は思ったより広くてよく整備されていたので少し驚く。駐車料と入場料を支払い、お寺に向かう小道に入ると含月山のすそから吹いてくる涼しい風や水の音などで心の安らキさえ感じる。

宝物に指定されているキリムサ(祇林寺)の大寂光殿

含月山のキリムサ(祇林寺)で私がもっとも惹かれるのはこの伽藍の中心を成している「大寂光殿」である。 本堂はヘウソ(解憂所、韓国のお寺におけるトイレのことを言う)の反対側にあるという立て札の案内に従い、天王門を潜っていくと清雅な佇まいの「大寂光殿」が現れる。

 

祇林寺
慶州祇林寺大寂光殿 宝物第833号

慶州祇林寺大寂光殿 宝物第833号

大寂光殿

応真殿

寺域を大きく分けると、三世如来をまつる「大寂光殿」の伽藍を中心として、右側に三重の石塔が並ぶ応真殿(有形文化財第214号)と、左側に薬師殿の三つに分けられる。 「大寂光殿」はキリムサ(祇林寺)の本殿として朝鮮時代に建立された正面5間、側面3間の木造建物で、柱の中間の部分が脹らんでいるエンタシス柱の切妻屋根がその優雅さを誇っている。

「大寂光殿」(宝物第833号)を前にして右の方が樹齢500年も経った菩提樹が空高く聳えている。そして、左は応真殿の前の三重の石塔(有形文化財205号)が古色蒼然たる趣を感じさせる。

祇林寺
毘蘆遮那三仏座像 宝物第958号

毘蘆遮那三仏座像 宝物第958号

大寂光殿の法堂には3人の仏像が奉られているが、真中の仏像がビロザナ仏(毘蘆遮那仏)、左側に蘆舍那仏、そして右側に釈迦牟尼仏である。 土で作られている三尊仏像(宝物第958号)の位置と表情などが似ていることから文禄・慶長の役以後に製作されたと言われている。大寂光殿から少し離れると冥府殿、三聖閣、観音殿、山神閣などがあり、博物館がある。

祇林寺
遺物展示館

遺物展示館

祇林寺
乾漆菩薩半跏像 宝物第415号

韓国でも珍しい乾漆菩薩半跏像
キリムサ(祇林寺)博物館は大寂光殿のビロザナ仏(毘盧遮那仏)から出た服装の遺物をはじめ、さまざまな重要な遺物が展示されているところである。この博物館には大寂光殿と共にもうひとつ人々の足を止めさせる自慢の遺物として菩薩像がある。

キリムサ(祇林寺)に納められている高さ91cmの観世音半跏菩薩半跏像(宝物第415号)は乾漆仏である。乾漆仏というのはまず泥で形を作ってから麻布で巻いた後、その上に泥パウダーを塗り付ける。それが乾いたら泥で作られた中身を取り除いた後に、仏像を漆で塗り重ねて出来上がったのが紙の仏像というものである。 このように作れられた仏像は珍しいものであるが現在はその仏像に金箔を塗ってしまったから本来の乾漆仏の雰囲気が漂わなくなった。

彫刻が精巧で顔や少し太った体格は異国的だから中国の影響を受けたような気もする。左足は台座の上に上げて右足は台座の下に降ろし、右手は膝の上に載せて左手をちょっと引いて台座を掴んでいるが頭には唐草紋が刻まれている帽子を被り、垂れ下がった服の裾が美しい。

祇林寺
菩提樹

五井水の面白い話キリムサ(祇林寺)で大寂光殿と乾漆菩薩座像を感想したら重要な遺物は全部見たといえる。

菩提樹の枝の美しさを鑑賞し、竹薮を波打たせて渡る風の音に耳を済ませながらキリムサ(祇林寺)に伝承されている「五つの味を出せる水で有名な五井水(オジョンス)」に纏わる面白い昔話が思い出される。

大寂光殿の前にある三重の石塔の横には「将軍水」があってこの水を飲めば身体が大きくなり、大人(たいじん)や将軍が出るという水で、天王門の内側の烏啄水は水の味がすごく美味しいから烏がのんだという水だ。また、天王門の外側にある明眼水は気骨が壮大になって目が清らかになり、後庭の和静水は飲めば飲むほど心が安らかになり、北岩の甘露水は天下りの露のような水だ。

しかし、能力人品、ともにすぐれた将軍の出現を恐れた植民地時代の日本人によって将軍水の水脈が塞き止められ、井戸も埋められてしまった。他の井戸も次第に乾きつつあり、かつての水の味を味わうことができないそうだ。

水の音、風の音、風鈴の音が相俟って幽玄の美を醸し出すお寺

薬師殿

キリムサ(祇林寺)は現在、仏国寺の末寺となっているが8.15独立までは仏国寺を末寺にするほど巨大な寺刹だったそうである。 祈林寺と言う名はお釈迦様が留まっていた祈園亭舎とその弟子達が留まり亭舎の数を増やして行った「祈園亭舎の森」から由来したもので、独に祈園亭舎は悟りを得た釈迦が20年間、留まった所である。

「三国遺事(日本書紀のようなもの)」に「新羅の31代王様である神文王が東海で海竜に化した先王から萬波息笛という笛を得て、王宮に帰る途中でキリムサ(祇林寺)の西側の小川のほとりでしばらく休んでから行った」という記録から見れば少なくとも統一新羅の初期である神文王の以前からあった古刹だと考えられる。

新羅に仏教が伝わった直後、天竺国(インド)の僧侶光有(光有聖人)が五百名の弟子を教化した林井寺であったという説話があるし、その後、善徳女王20年(643)に元曉(ウォンヒョ)が寺刹を拡張しながらキリムサ(祇林寺)に改名したという話もある。

とにかく水の音、風の音、風鈴の音が清らかなキリムサ(祇林寺)は見所が多い寺刹として、大寂光殿と乾漆菩薩座像(宝物制415号)、大寂光殿のビロザナ仏(毘盧遮那仏)から発見された腹藏典籍(宝物第959号)他にも精巧に刻まれた54種71本の典籍と地獄と閻魔大王を描いた幀画、仏様の真身舍利、瓦當、各種書冊などが保管された博物館は見ごたえがある。キリムサ(祇林寺)博物館の門が閉まっている時は宗務所に話せば開けてくれる。

 

基本情報
スポット名 祇林寺
기림사
住所 慶尙北道 慶州市 陽北面 虎巖里419
경상북도 경주시 양북면 호암리419
電話番号 054-744-2292  FAX 054-744-2269
入場料 大人3,000ウォン
サイト http://www.kirimsa.net/
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朴 保圭